アフィリエイトはあなたのサイトに広告を載せることで商品・サービスを紹介して、資料請求・商品購入などがされると報酬を支払われるシステムです。
それを支えているのは、ブラウザで使っている「Cookie(クッキー)」という仕組みなんですね。
そのCookieについて、iOS 11のSafariで機能の変更がありました。
それがアフィリエイターに大きな影響を及ぼすものなんです。。
この記事について、不正確だと思われるところがありましたら、随時更新いたしますので、ご連絡いただけましたら大変ありがたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
Cookie(クッキー)って何?
Coolkieは、ブラウザによって、あなたのPCやスマホに保存される、小さなファイルです。
以前、ログインしたサイトにまた訪問すると、ユーザー名やパスワードを入力しなくても自動でログインできることがありますね。
通販サイトでカート(買い物かご)に商品を入れると、何日か後にそのサイトに戻ってきたときでも、前回の訪問で何をカートに入れたか、情報を記憶してくれています。
Amazonや楽天で閲覧した商品が別のサイトに広告として表示されたり、あなたが興味を持ちそうな広告が色々なサイトで表示されたりもしますよね。
これはあなたのWeb上での行動について、クッキーに色々な情報が書かれているから、ユーザー名やパスワードを何度も入力しなくてもよくて、便利にネットができるんですね。
クッキーにはどんな情報が保存されているの?
サイトによって、保存される情報は異なりますが、だいたい次のようなデータであることが多いです。
- ホームページに何回訪問したか
- ユーザーID、パスワードなどの会員情報
- 通信販売などで、以前に購入した製品のリスト
- 最後にサイトを訪れた日時
Cookieは便利な一方、ユーザーが訪問するサイトを追跡できるので、ユーザーのプライバシーが侵害されるのではないかと懸念する声もあります。
iOS 11からSafariに搭載されたITPとは?
先日、iOSが11になったのですが、iOS 11のSafariに「ITP(Intelligent Tracking Prevention)」という機能が入ったんです。
ユーザのWebブラウジングを快適にする目的で、Cookieの有効期限を制御する機能。
iOS 11を使っていれば、パソコンでもiPhoneでも自分でオフにしないしない限り、この機能がオンになります。
iPhoneやiPadでは「サイト越えトラッキングを防ぐ」の設定
ITPの機能は、iPhoneやiPadでは「サイト越えトラッキングを防ぐ」という設定になっています。
iPhoneやiPadのホーム画面の[設定]アイコン → [Safari]の順でタップすると、上の画像のような設定画面が表示されます。
デフォルト(初期状態)で有効になっているので、わざわざオフにするユーザーはほとんどいないと思われます。
ITPの導入でクッキーの利用にどんな違いが出てくる?
サイト上でクリックやフォーム入力などの操作を行った場合、操作してから24時間の間については、今までと変わりありません
(「サイトを訪問してから」と記載していましたが、修正させていただきました【11/7】)。
Intelligent Tracking Prevention collects statistics on resource loads as well as user interactions such as taps, clicks, and text entries. The statistics are put into buckets per top privately-controlled domain or TLD+1.
引用元:
「Intelligent Tracking Prevention」
引用元:Apple「Intelligent Tracking Prevention」
サイト上でクリックやフォーム入力などの操作が行われた場合
24時間以降は、ログイン情報などだけが使えますが、ユーザーの追跡ができなくなり、30日間後には、Cookieが完全に削除されます。
サイト上でクリックやフォーム入力などの操作が行われなかった場合
24時間たたないうちにサードパーティCookieが隔離され、参照できなくなります。
マーケティングメトリックス研究所さんの「ITPの仕様と挙動について、あまり知られていないことを簡単に整理する」によると
フォーム入力などの操作が行われなかったドメインのCookieは(筆者補足)
即座にドメインごとに分離され、また削除されます。
とのことです。
参考サイト:マーケティングメトリックス研究所
「ITPの仕様と挙動について、あまり知られていないことを簡単に整理する」
https://www.mm-lab.jp/report/itp_specification_and_behavior/
アフィリエイターに関連あり!広告への影響は?
従来のASPごとのCookieの有効期間を簡単に列挙すると、今まで、次のような期間が有効になっていました。
Amazonアソシエイト | 24時間 |
---|---|
楽天アフィリエイト | 30日間 |
Yahoo!アフィリエイト | 30日間 |
A8.ネット | 1~60日間 |
アクセストレード | 1~60日間 |
バリューコマース | 1~60日間 |
インフォトップ | 30日間 |
インフォカート | 30日間 |
たとえば、あなたのサイトで、妖精さんが楽天の商品の広告をクリックしたとします。
そのとき楽天の商品を買わなかったとしても、30日以内に妖精さんが楽天で買い物をすれば、あなたに報酬が入っていました。
妖精さんが購入したのが、あなたが広告を掲載した商品でなくてもいいんです。
あなたは本の紹介をしていたのに、妖精さんが旅行などの高額商品に申し込んだら、ラッキー!というわけ。
報酬の料率は、お店によって設定が異なります。1%のお店もあれば、50%、75%のような高い料率のお店も。
それが、ITPによって、Safari 11を使用しているユーザーについては、広告がサードパーティCookieを使っていると、サイト上でクリックやフォーム入力などの操作を行わない場合、24時間たたないうちにユーザーを追跡できなくなってしまうということ。
これにより、リターゲティング広告※など、Cookieを使って追跡する広告の配信が制限されたり、Cookieが隔離されてしまった後のコンバージョンを測定できないなどの影響があると考えられます。
※リターゲティング広告とは
たとえば30日以内に特定のサイトを訪れたことがある人がYahoo!、Google、提携している会社のコンテンツを見ているときに、広告を表示するという手法です。
ユーザーがそのサイトを離れてしまっても、別のサイトまで広告が追いかけるようなイメージです。
広告団体は、適切な広告の表示ができなくなるということでAppleに抗議を申し立てましたが、ユーザーはサイトに広告が表示されるのを好まないので、ITPを取りやめるということはないでしょう。
ITPについては、Appleの「Intelligent Tracking Prevention」で解説されています。
サイト側で対応が必要?
早く知りたい方は、下の記事を参照してください。
iOS 11 Safariの新機能ITP ASPごとの対応【サイト側で対応必要?】
2017年ブラウザのシェア Safariは何パーセント?【11/11変更】
デスクトップでのブラウザのシェア【2017年10月】
「StatCounter」によると、2017年10月時点で、Safariのシェアは6.8%です。
これを見ると、「ITP」の影響はそれほどないように思えます。
ただ、モバイルでの購買行動が多いのですよね。
モバイルでのブラウザのシェアを確認します。
モバイルでのブラウザのシェア【2017年10月】
モバイルだと、Safariのシェアは64.08%になります。
野村総合研究所の調査結果だと、B2C EC(企業と消費者間の電子商取引)市場でのモバイルの影響が次のように予測されています。
EC、広告、ペイメントともにスマートフォン・タブレットの活用が市場をけん引
B2C EC(企業と消費者間の電子商取引)市場は、2015年度には15.4兆円となり、2022年度には26兆円に達する見込み。
携帯端末の普及に伴い、自宅のパソコンからだけではなく、時間や場所を問わずにECを利用できるようになってきたことが、市場の成長を後押しする。
モバイル向けの広告の比率が、2015年の42%から2022年には60%へ増加する。
引用元:
2022年度までのICT・メディア市場の規模とトレンドを展望
~AIやIoTを使いこなす「真のICT先進国」への道筋~ 2016年11月21日
モバイル向け広告が増加するという環境にあって、Safariがモバイルで6割強を占めるということは、やはり無視できないですよね。。
ただ、ブラウザの仕様変更に対して、私達が直接何かをできるわけではないので、アフィリエイターにできるのは、より頻繁にサイトを訪れてもらえるよう、よいコンテンツを発信するようにすることでしょうか。
ITPについて続報があれば、また書きますね。
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