消費者庁が広告の「打消し表示」の取り締まりを強化するという話があります。
この件についてについて、昨日に引き続き書きます。

「打消し表示」とは?どのような記載でしょうか?

体験談の後に「個人の感想であり、効果を保証するものではありません」などと書いてあり、必ず広告に書いた通りの効果が出るわけではないと打ち消す表示のことです。

「打ち消し表示」が取り締まりの対象となる理由

食いしんぼ
どうして「打ち消し表示」がいけないの?

妖精
下のようなことが起きてしまうからよ。

たとえば、休日、車で出掛けたときに駐車場の料金表示に「1時間100円」などと大きく書いてあるのを見て、駐車したところ、5時間で7000円とられた。

何故かというと、料金表示の下に「平日のみ」と書いてあり、休日は「1時間100円」で駐車できない!という。

このように、消費者に誤解されるような表示は、

不当表示として不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」という。)上問題となるおそれがある。

ということなんです。

引用元:
打消し表示に関する実態調査報告書(概要)
上のリンクをクリックするとPDFファイルが開きます。

打ち消し表示の7パターン

体験談型

例:

食いしんぼ
毎朝スッキリ!体重がみるみるうちに減って、おしゃれをするようになったら、彼氏もできました!!

※個人の感想であり、効果には個人差があります。

例外型

例:
「駐車1時間100円!!」と大きく看板に書いてあり、下に小さく「平日のみ」と書いてある。

別条件型

例:
携帯端末 通話も!ネットも!月額2000円!
※上記料金の申込には、●●オプションへの加入が必要です。

 

打消し表示の例

非保証型

1日で1.5キロ痩せた!
※効果には個人差があります。

打消し表示の例

変更可能性型

印刷パック料金(用紙、印刷込み、梱包込み)
2000円
※掲載価格・内容は予告なく変更する場合がございます。

追加料金型

毎月580円!
※別途初期費用¥2000 がかかります。

打消し表示の例

試験条件型

●GBの高速通信を実現!!
※ご利用の対応機器が、●●規格に対応している場合です。

打消し表示の例

 

問題となる打消し表示の要因

打消し表示の文字の大きさ

消費者が打消し表示に気がつかないくらい、文字が小さい。

打消し表示の文字の最低サイズは?

公正取引委員会 強調表示を行う場合の望ましい表示
公正取引委員会の「(平成20年6月13日)見にくい表示に関する実態調査について(概要)」で、やむを得ず打消し表示が必要で、消費者が手に取って見る物の場合、表示スペースが小さい場合でも「最低8ポイント以上」の文字にするように注意することとされています。

気がつきにくい場所に打消し表示がある

打消し表示の文字が小さくなくても、消費者が気がつきにくい場所に表示されていると、見落とされてしまいます。

たとえば次のような場合です。
・強調されている表示から離れた場所に打消し表示がある
・強調されている表示を打消す表現であることがわからない

打消し表示に関する実態調査報告書(概要)には、

Web広告の場合、強調されている表示から1スクロール以上離れた場所に打消し表示がある場合が「問題となる表示方法」として挙げられています。

打消し表示が読み取りにくい

打消し表示の背景の模様などにより、打消し表示の文字と背景を見分けにくような場合です。

どんなことに注意するべきだと書かれているか?

事業者においては、表示を行う際の前提として、一般消費者が普段広告に接する際に打消し表示を意識して見ない(読まない)という実態を十分に理解し、広告に記載した内容を一般消費者が正しく認識できるように工夫して表示を行うことが求められる。

やむを得ず、強調表示とともに打消し表示を行う場合でも、一般消費者が読んでもその内容を理解できない打消し表示であれば、表示していないことと変わりがない。そのため、事業者は、一般消費者が打消し表示の内容を正確に理解できるように分かりやすく表示するとともに、各媒体の特徴を踏まえた上で一般消費者にとって見やすく表示することにより、強調表示と打消し表示とを合わせて、表示物全体として、表示から受ける一般消費者の認識と実際のもの等との間に差が生じないように留意する必要がある。

消費者庁は、今後とも、打消し表示が含まれる表示物に関する実態の把握に努めていくこととする。また、本報告書の周知を行うとともに、景品表示法に違反する事案に接した場合には、厳正に対処することとする。

まとめ

「打消し表示に関する実態調査報告書」が公開されたのは、2017年7月14日です。

その後、12月までの間で、「個人の感想です」という表現がすべてなくなったかというと、そうではありませんが、消費者庁がこのページに挙げたような考え方でいるということは、商品を紹介するアフィリエイターは知っておいた方がよいですよね。

多くの表現が問題となっているので、上の例に当てはまらないようにして、どのように商品やサービスの魅力を表現できるか考えていきたいと思います。